約 2,287,763 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/501.html
無限の命を刻んだ永遠の時間 宇宙に無数に存在する惑星 その中の一つに過ぎないこの星に生まれた命 何億と生きる人間の中の一つの私 なんのためにこの星に生まれたのか なんのためにこうして生きているのか 誰もその答えを知らない ふと怖くなり顔を上げる 放課後の部室 誰もいない静寂 無数に存在する命 しかし私を知っているのはそのわずか 怖くなる 孤独? 恐怖? 心が痛い とても苦しい 私は、サミシイ まるで自分が世界に取り残されたような感覚 誰一人私を必要としていない ―――――ヤダ! なんで誰もいないの? キョン?有希?みくるちゃん?古泉くん? 部室のドアに手をかける しかしそれは開かない ドアは開かない なんで? ここから出して! ここから出たいの! 助けて! 私はここよ? 誰か! キョン! ―――――カタン ふと心がざわめく 私一人だったはずの部屋に気配が生まれた 誰? キョン? 私はその気配の方へ振り返―――― ―――――られない 体が動かない ヤダ 何これ何コレなにコレナニコレ 背後から近づく気配 汗が溢れる ドアノブを握ったまま手は動かない 振り返ろうにも首は動かない 少しずつ気配は大きくなる 背後の影は徐々に近づく 声は――――出せない 目を――――つむれない! そして その影はすぐ後ろに立つ 身体の背後から手が伸びた 伸びた手は私の手に触れる ――――怖がらないで あなた誰? 心で呟く ――――私はあなた あなたは私? 再び呟く ――――あなたの中のもう一人のあなた ――――本当は弱くもろいあなたの心 ――――気づいていたんでしょ? 囁く声 私は答えない ――――本当は、誰かに甘えたい 私の願い? 誰かに甘えたい 一人はもうイヤ でも、そんなのそんなの無理 私はわがまま 私は自分勝手 私はきっと嫌われている ――――あなたが拒絶しているだけ ―私が? ―――そう ―私は、そんなこと ―――ない、と言い切れる? ―私、私 ―――本当はわかっていた ―本当はずっと前から ――あいつに 「―――ハルヒ」 急に目が覚める 夢? 目を見開く 目の前にあいつがいた 心配そうに私を見ていた 「ハルヒ、大丈夫か?」 え? ふと目が冷たくなる 私は泣いていた 「ハルヒ?」 何よ? 「大丈夫か?」 決まってんじゃない 「本当か?」 くどいわね 「そうか」 部室を見渡す そこにはキョンしかいなかった そして、外はすでに暗かった 待っててくれたの? 「ああ」 なんで? 「俺の勝手だろ?」 私は言葉を切る 静寂が二人を包む 部室はまるで時が止まったようだった そして、私は再び口を開く ―――がとう 「え?」 困惑するあいつ 「なんだって?」 二度は言わない 私は無言で席を立つ 荷物を持ち 部室のドアノブに手をかける 「ハルヒ」 背後から声がかかる 私は固まる そして無言で続きを待った 「明日からもまた、がんばろうな」 震える肩をおさめる あいつに振り返る そして今度ははっきりと口にする ありがとう 涼宮ハルヒの短編‐完‐
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2533.html
「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。 この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたらあたしのところに来なさい。以上」 宇宙人?長門のことか? 未来人?朝比奈さんか? 超能力者?これは古泉か? 異世界人?……それは見たことないぞ。 「あんた宇宙人なの?」 いや、違う。 「じゃあ話かけないで。時間の無駄だから」 ちょ、ちょっと待てよ。 「普通の人間の相手をしている暇はないの」 じゃあ俺はなんなんだ。お前にとって俺は、普通の人間は必要じゃないのか? でも、俺は……それでもお前が――。 『涼宮ハルヒの交流』 ―第一章― 放課後の誰もいない教室で目覚める。 あれ、授業は?もう終わってたのか。くそっ、ハルヒも起こしてくれればいいだろうに。 ……あぁ、そういえば昼間けんかしちまったもんな。 冷静になってみると確かに俺が悪かったと思う。が、そんなに激怒するようなことでもないと思うんだがな。 とりあえず謝るだけは謝らないと。すぐには機嫌は直らないんだろうけどな。 で、今何時だ?きっと今から部室行っても怒鳴られるだろう。まぁそれでも行くしかないか。 それにしてもどうやら不思議な夢を見ちまったようだ。はっきりとは覚えていないがどうやら一年前の夢か? 入学式、出会った日のハルヒの自己紹介。その部分を見ていたことはなんとなくだが頭に残っている。 ……懐かしいといえば懐かしいか。 俺達も2年生になり、新入生を迎える立場となったわけで、それなりに勧誘もやってはみたのだが、 SOS団に入るなんて物好きなぞ結局現れなかった。 まぁ普通の人にはわけのわからない団体だしな。 そのままずるずると入部者もないまま、もうG.Wが終わってしまった。 ということは、我らがSOS団もそろそろ一周年ということか。 これからも色々とめんどうなことになるんだろうか?いや、なるんだろうな。やれやれ。 ……さて、部室に向かうとするか。 ◇◇◇◇◇ そういえば日も長くなったな、なんて考えながらも部室への道を歩いて行くと後ろから、 「おや、今からですか?やけに遅いですね」 聞き覚えのある声に立ち止まって振り返る。 「古泉か。ちょっと教室で寝てたらこんな時間になっちまってた」 「それはそれは。となると涼宮さんもご立腹ですかね」 「だろうな。でもお前と一緒なら一人で行くより少しはましかもな」 「そうかもしれませんね。そのせいですか?先ほどから浮かない顔をしているようですが」 「まぁそれもないわけではないが。実は昼間ハルヒと少しばかり激しいケンカをしちまってな。 それも含めておそらくかなり怒られるだろうからな。そりゃあ足も進まなくなるさ。 閉鎖空間、大きめのやつができたんじゃないか?すまなかったな」 「おや、それは不思議ですね。今日は閉鎖空間はまだ発生していないはずですが……。 ということは実際にはそれほど怒ってらっしゃらないのではないですか?」 ……そうなのか? あれで閉鎖空間ができてない?どういう事だ? 「それならそれでいいが…。どっちにしろ後でちゃんと謝っておくよ」 「そうですね、それがよろしいかと。お願いしますね」 古泉はいつものように笑って言う。 「ああ、あとそれに加えてさっき寝てた時に一年前の入学式の日の夢を見てたんだ。 そのせいで、ああ、俺は一年間かなり無茶をやってきたな、そしてこれからも無茶をやるんだろうな。 と、さらに憂鬱な気分になってたってわけさ」 「ふふっ、まぁそういうことにしておきましょう」 何がだよ……。古泉と並び部室へ向かいながら、思いついたことを話してみる。 「ところでさっき見てた夢のせいで今ふと思ったんだが、宇宙人、未来人、超能力者は簡単に現れたくせに 結局のところ異世界人は現れなかったな」 「おや、あなたは現れて欲しいのですか?」 そんなばかな。これ以上の騒動はごめんだぜ。 「いや、そういうわけじゃないが。どうしてなのか少し気になってな」 「どうしてだと思いますか?」 予想外の返答に思わず足が止まる。 「わかるのか!?」 「わかる…、とは言えませんね。あくまで仮説です。それでもよろしければ」 古泉に促され、再び歩き出しながら話を続ける。 「とりあえず聞かせてもらおう」 古泉はどう話そうか少し考えているようだったが、すぐに話し始めた。 「涼宮さんはこの世界の神のようなものであると僕が言ったのは覚えていますか?」 「……そんなことも言っていた気はするな」 「僕達には認識しえませんが涼宮さんの神性はあくまでもこの世界でのものと考えられます。 その根拠、とまでは言えませんが、宇宙人、未来人、超能力のどれもがこの世界の中での者です。 もし、……そうですね。この場では異世界としておきましょうか。異世界にもその力が及ぶのであれば、 我々と同様に涼宮さんの側に呼び寄せられているでしょうからね。おそらくは、SOS団の6人目として。 あるいは、……あなたが異世界人なのでしょうか?」 ニヤリと笑い古泉は言う。 「っ!?おいおい、そんなはずはないだろ?」 たちの悪い冗談はやめろ。頼んでやるからやめてくれ。 思わず慌てふためいてしまった俺を横目に、あいもかわらず涼しい顔で続ける。 「ふふっ、冗談です。前にも言ったように、あなたはれっきとした普通の人間ですよ」 「やれやれ、勘弁してくれよ」 俺の少し大きめのリアクションも気にせず、古泉は続ける。 「異世界人というのは少し特殊でして、未来人や超能力者のように力を与えれば良いというものでも、 宇宙人のようにその存在を創造すれば良いというものでもありません。 異世界に存在している、という条件が不可欠になります。となると、まずは異世界から創らねばなりません。 その気になればできるかとも思えますが、そこから人を連れてくるとなると、それは誘拐に近い行為です。 さすがにそこまではできないのでしょう。涼宮さんの良心が咎めるのかもしれませんね」 「あいつにそんな常識が通じるとは思えないがね」 「いえいえ、そんなことはありませんよ。以前にも言ったように涼宮さんはちゃんと常識を持った方です」 ……ほんとかよ。 「あるいは、異世界というものがすでにあるとしても、そこにも涼宮さんのような力を持った者、 つまり『神』が存在して、涼宮さんからの干渉を防いでいたりするのかもしれませんね」 なるほど、それならありえるかもな。 「それだと向こうの神様も必死だろうな」 ハルヒから再三に渡って人員を要求されている異世界の神様には同情を禁じえない。 とりあえず面識もないが謝っておく。うちのハルヒが迷惑をかけてすいません。 「まぁ、全て僕の仮説ですけどね。もちろんそれなりに自信はありますが。 どちらにせよ、この説がある程度でも当たっているならば、異世界人が現れる可能性は低いと思われます」 確かに、話を聞いている限りにおいては、なるほど、と納得させられるような内容だ。 まぁ、別に俺にとっては現れて欲しいわけでもないしな。いや、むしろ現れないで欲しい。 「あなたに言うべきか、少し判断に迷いますが、あなたも興味があるようですので話しておきましょう」 古泉は少し考え込むような仕草を見せた後、立ち止まって話し始めた。 「実は過去に3回、涼宮さんは異世界人を呼ぼうと試みています」 な、なんだって。どういうことだ? 「それが元から存在した世界なのか、涼宮さんがわざわざ創り出した世界なのかはわかりません。 ですが実際にここではない世界に干渉した力の発現を感じました」 「それは、例の『なぜだかわかってしまうのです』ってやつか?」 「そうです。根拠はありませんがそう感じました」 なるほどな。 「でも、それじゃあ異世界人ってのはもうどこかにいるんじゃないのか?」 「いえ、それが成功したことはありませんので、異世界人はまだいません。それに……」 古泉は笑顔になり、再び手で促し歩き出す。 「一年前、あなたと出会ってからは一度もありませんのでご安心を」 ◇◇◇◇◇ 古泉の話について深く考える間もなく、すぐに部室に到着する。 少し考え込む俺を後ろに古泉がドアをノックすると、 「はあぁい、どうぞぉ」 と、いつものように朝比奈さんの可愛らしいボイスが出迎えてくれる。 古泉はいつものようにドアを開け、いつものように 「すいません、遅くなりました」 と挨拶を交わした後、いつものように入って……は行かずに、ドアを閉めてこちらに向き直る。 「ん?なんだ?」 古泉は珍しく真剣な面持ちで 「申し訳ありませんが、少しこのままここで待っていてもらえませんか?」 「あ、ああ、構わないが?」 「すぐに戻りますので」 そう言葉を残し、部室の中へと入って行く。 一体なんだってんだ。異世界人でもいたのかねぇ。けど俺が入れない理由にはならないか。 部室の中からは微妙に声が聞こえる。 「――いえ、たいしたことではありませんので」 「そう、まぁ別にいいわ。まぁ古泉君は優秀だし、色々あるんでしょ。誰かさんと違って」 どうやらハルヒと何かしらの会話をしているようだ。 っておい!誰かさんて誰だよ?俺か?……まぁ俺のことなんだろうが。 「それで申し訳ありませんが、まだ少しやることがありまして、今日はこれで失礼させて頂きたいのですが」 「そう?まぁ仕方ないわね。古泉君は優秀だし、色々あるんでしょ。誰かさんと違って」 くそっ、また言いやがった。そんなにダメか?ダメなのか俺は? 「すいません。それと、彼もお借りしたいのですが、宜しいでしょうか?」 「えっ、俺か?」 「んー、別にいいけどこいつ使えないわよ。古泉君と違って。」 「ったく……。そのことは悪かったって、謝ったろ?勘弁してくれよ。 あ、古泉、少し待ってててくれ。これ片付けるから」 って、また言った。普通3回も言うか!?さすがにそれは酷いだろ? ……じゃなくて、ちょっと待て。中で今俺が返事しなかったか?いや、間違いなく俺だよな。 落ち着け。そんなはずはない。俺はここにいる。……でも確かに今のは俺だ。 何が起こってるんだ?どうなってるんだ?と、考えていると古泉が顔を出し、 「すいませんが屋上で待っていてもらえますか?すぐに向かいますので」 と、小声で簡単に告げる。 色々と聞きたいことはあるが、ここは仕方ない。とりあえず屋上に向かうとするか。 ◇◇◇◇◇ 第二章へ
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5585.html
「遅い罰金」 皆々様ごきげんよう。 本日は大抵の日本人なら惰眠を貪る事でお馴染みの日曜日だ。 が、しかし今日の俺はその人間の枠からしっかりと外れている。 勘違いするな、だからと言って何も禁術を使って人外の存在になったとかそんなんじゃあない。 単純に早起きをしたってだけだ。 日曜日に早起きなんてって声が聞こえてきそうだが、そんな嘲笑は今俺が手にしている幸福感その1、その2にを前にしたら粗末な息子の粗末なカスみたいなもんだ。 「な、何であんたがあたしより先に着いてるのよ!それに罰金って何よ!!」 幸福その1。涼宮ハルヒに罰金刑を言い渡す。 「何でってお前より先に着いたからに決まってるだろ?それとも何か、この世界にはお前より先に集合場所に着いて罰金を言い渡しちゃならない決まりでもあるのか?」 積年の恨み?をここぞとばかりにぶちまかすってのは実に心地が良いもんだ。 今なら禁欲を破った時の仏陀の気持ちが手に取るように分かるぜ。 さあ、ハルヒよとっとと朝飯をおごって貰おうか?この為に早起きして朝飯を抜いてきたんだ、故にペコペコなんだよ。 お腹と背中が創世合体寸前だ。 「く…、キョンの癖に生意気よ……はあ…まあいいわ、今日の所は私の負けを認めてあげるわ」 よしよし、ツンでもデレでもなく素直なハルヒも可愛いぞ。 思わず頭をがしがし撫で回したくなる。 「ほらキョン、あたしがおごってあげるんだから早く来なさい!今日は色々な所連れて行ってくれるんでしょ!?今日は、初デ、デデデートなんだからしっかりしなさいよ!」 幸福感その2。今日はハルヒとの男と女の関係になってから初のお出かけ。 勘違いするなよ、まだ手は出していない。…口は突き出したが。 まあ、今日はハルヒの言う通りデートである。 先日俺はハルヒに対し積もりに積もった感情をぶちまけさせてもらった。 さっきのような恨みではない。 わざわざ青臭い言葉を選ぶなら『恋心』ってやつだ。 詳細は首吊り必死なので省かせてもらうがハルヒはそんな俺の想いを受け入れてくれ今の関係に至るってわけだ。 その時のハルヒの表情といったらもう…墓場に持っていったらご先祖様が嫉妬の炎で墓石を焦がしてしまうんじゃないかって位のもんだった。 ともかく、団長と団員その1って関係でわなく彼氏と彼女って関係になったわけだ。 「ほ、ほらさっさとする!ちんたらしてたら置いてくわよ!!」 まあ、ハルヒにイニシアチブを握られてるって事には変わりないんだがな。 しかし、流石に一人の男としてそいつは情けない状態であるからして… 「分かった分かった今行く…」 「!!!!????」 そっちはイニシアチブを握ってるわけだからお前さんの手を俺が握ってもなんら問題はないよな? それぐらいはいいだろハルヒ? 「…………バ、バカキョン」
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4873.html
自分の部屋に入るなり、俺は驚愕した。 髪を拭く手は止まり、口は開きっ放しになる。 全ての行動を停止した俺は目の前の光景をどこか夢のような心境で見ていた。 シャミセンがにゃあにゃあと青いバランスボールのようなものにまるで語りかけるように鳴いている。 俺の頭の中に走馬灯のように記憶が甦ってきた。 どこでもドア、タケコプター、四次元ポケット、ネズミ嫌いの耳なしネコ型ロボット。 思い出したように俺は口を開いた。 「お前、名前は?」 バランスボールは俺に視線を移して、化け物のような歯のない口をかぱっと開いた。 「僕ドラえもんです」 はるか昔、小学生のころの聞き慣れたダミ声。 そう、俺の目の前にはドラえもんがいた。 俺の部屋になぜドラえもんがいるかって? それは俺が聞きたい。 だが心当たりはある。そりゃこんなことやる奴なんて一人しかいないだろう。 涼宮ハルヒ。 そのはた迷惑なやつが今日発した一言が原因としか考えられない。 俺は今日の出来事を思い出していった。 …………。 ……。 。 じめじめとした空気がまとわりつき、シャミセンがしきりに顔を拭うようになって、俺は四季に数えられない不遇の季節の到来を知った。 まあ俺自身、梅雨は嫌いだから同情する気もないのだが。 その日も部室の扇風機だけではどうにもならない湿気の中でうだっていた。 朝比奈さんがついでくれた水出しのお茶が唯一の清涼さを醸し出してくれる。 こんなときに古泉とボードゲームをやる気なんて起こるはずもなく、間近に迫ったテスト勉強をやることにした。 しかし、始めてみると我ながら情けないことにものの十分もしない内に飽きてきた。 流石にみんなが見ている手前すぐにペンを置くわけにもいかない。 そんな訳で俺は勉強してる体裁を装って落書きを始める。 「それなんの絵描き歌でしたっけ?」 一人で詰めチェスをしていた古泉が手を止めて尋ねてきた。 なんだ。声出してたのか、俺。 ええ、と古泉が微苦笑を浮かべて肯定する。 バレては仕方がないので、 「ドラえもんのだよ。ほら、昔やってただろ」 「そう言えばそんなものもありましたね。ちょっと、見せて下さいよ」 古泉がそう言って俺のプリントをのぞき込もうとしたとき、唯一ここにいなかったやつが現れた。 「古泉君、勉強教えてやってるの?」 入るなりハルヒはそう言ってずかずかと近寄り、古泉がなんと言おうか逡巡している内に俺のプリントを強奪する。 「なにこれ。落書きばっかりじゃない。それにこの歪んだ風船に竹串さしたようなのはなんなの?」 お前はドラえもんを知らんのか。 「これがドラえもんだったら、世の中にある丸いものは全てドラえもんだわ」 ハルヒは見てなさいとばかりに、ホワイトボードにさらさらと書き出した。 「お上手ですね」 古泉がハルヒ作の絵におべんちゃらを言う。 たしかに俺のドラム缶を何十回か殴打して毛を生やしたような落書きとは比べるのも憚られる出来栄えだ。 「こんな落書き、ドラえもんに対する冒涜だわ」 意外にもハルヒは怒った風に言った。 お前ドラえもん好きなのか。 「そうよ。昔はよく見てたわ」 たしかに、ハルヒ的にはいいかも知れん。不思議道具が山程あるしな。 「どっかにいないかしらね。ドラえもんみたいな未来から来たロボット」 未来枠は朝比奈さんだけで十分だ。藤原とかいう陰険野郎も、そんなロボットもいらん。 「もしかしたらいるかも知れませんよ」 と、古泉がハルヒをたきつけた。 いらんことを言うな。ほら、朝比奈さんが青い顔してるじゃねえか。 そんな思いを込めて、古泉の足を踏み付ける。 「絶対いるわよ。タイムマシーンの故障かなんかで」 ハルヒはそう言って遠くを見るような目でホワイトボードを見つめた。 バタバタと階段を登る音が聞こえて、俺は回想から現在時間へと戻った。 十中八九、妹だ。 「えっと、とりあえず姿を隠せ。急げ。話は後だ」 ドラえもんはやにわにポケットに手を突っ込んで、灰色のボールを半分に斬ったようなやつを取り出して無理矢理かぶった。 「シャミー」 妹がそう言いながらドアを開けたのと、ドラえもんの姿が忽然と消えたのがほぼ同時だった。 俺はほっと胸をなで下ろす。 「キョン君、タオル。お母さんが持ってきなさいって」 「ああ。分かった」 半乾きの髪を拭いてタオルを妹に手渡す。 妹はそのタオルでシャミセンを捕らえると部屋を出ていった。 足音が十分に遠ざかってから、 「おい。もう出てきていいぞ」 そう言うと再びドラえもんの姿が現れた。 ええっと、この道具はなんて名前だったかな。 「石ころ帽子~」 一々フシをつけて言わんでもいい。たしか存在感をなくすとかそんな道具だったはずだ。 ということは、 「やっぱり、本物なのか?」 ドラえもんは不思議そうに首を捻るというか身体を傾けた。 ますます本物じみた動作だ。 つうかお前はアニメのキャラクターのはずだろ。 「そんな訳ないだろ」 たしかに今はZ軸を持っているが……よく分からんが、なんでこんなとこに来たんだよ。 「タイムマシーンに乗って未来へ行ってたら、時空震に巻き込まれたんだ」 タイムマシーンまであるのか。どこだ? そう言うと、ドラえもんは俺の机の引き出しを示した。 引き出しを引くと数メートルほど下に、畳一畳ほどの板切れが浮かんでいる。 俺の部屋まで異空間にしてんじゃねえよ。自分の部屋くらい普通の空間でゆっくりさせろ。 「だったらコレに乗って帰ればいいだろ。それとも故障か?」 そうだとしたら頼りになりそうな人物を一名いや、二名ほど知っている。 「さっきまでメンテナンスしたけど故障じゃない」 と、ドラえもんは首もないのに頭を左右へ振って、 「この時空トンネルの時空座標自体が明らかに異なるんだ。」 全くもって意味が分からん。 ここでぐだぐだと話を聞いても理解できる気もないので、俺はこんなときこそ頼りになりそうな人物の元に行くことにした。 そして、俺の目の前にはドラえもんがいる。これを利用しないのはマッチがあるのにわざわざ棒と板切れで火を起こすようなものだ。 「どこでもドアを出してくれ。未来人のところに案内してやるから」 「どこでもドア~」 俺の知る限りの物理法則を全て無視して、ポケットから赤色のドアが出現した。 たしか行きたい所を思い浮かべるんだよな。 俺は目を閉じて朝比奈さんの可憐な顔を頭に浮かべながら、ドアを開いた。 「ひぇ!?」 どうやら成功したらしい。まあ、そりゃ驚くだろうな。 そう思いながら目を開くと、 「キョ、キョン君? 出てって! 見ちゃだめえ」 湯船につかって豊満なバディを隠すように手で隠したすっ裸の朝比奈さんがそこに居られた。 こんな古典を忘れていたとはな。 俺は回れ右で自室へと戻った。 朝比奈さんは風呂から上がったら電話してくるだろうからしばし待つことにする。 待つほどもなく、俺の携帯に着信があった。 『キョン君、あ、あれはどういうことなんですか?』 「今から会って説明します。もう大丈夫ですか?」 『ふぇ? ええ』 俺は電話を持ったまま、再び赤色のドアを開けた。 『「ひぇ!」』 目の前と電話から朝比奈さんの声が聞こえる。 今度は浴室ではなく、ファンシーな少女趣味を体現したような部屋で、湯上りの朝比奈はウィニフレッドと名乗る黄色いクマのパジャマに着替えておいでだった。 俺は終話ボタンを押して電話を切ると、ドラえもんを前に促した。 「キョン君。なんで禁則事項を……それにそれはなんなんですか」 禁則事項とはどこでもドアのことだろう。 朝比奈さんはキテレツな生き物を前にして今にも泣き出しそうだ。 なんて説明すべきだろうか。 「ええっと、こいつは未来からきたロボットです。それがやりました」 俺はさり気なく自己弁護も入れた。 「未来? ロボット? その雪ダルマがですか?」 「雪ダルマじゃない! 僕は二十二世紀から来たネコ型ロボット、ドラえもんだ」 怒鳴るなよ。ほら朝比奈さんがびっくりしてるじゃねえか。 「二十二世紀……それはほんとうですか?」 「ほんとうだとも」 「あり得ません。二十二世紀にはまだ、人工知能を有したロボットが航時機を使った記録も禁則事項を行なった記録もないんですから」 「そんな訳あるか!」 議論が平行線を辿りそうなので、俺は仲裁に入った。 こういうときには下手に片方を弁護するのではなく、証拠を提示するに限る。 「朝比奈さん、ちょっと俺の部屋に来てくれませんか」 可愛い顔でドラえもんと睨めっこをしていた朝比奈さんはえっ、という表情をしたが、 「……分かりました。着替えますから、出てて下さい」 外に出る訳じゃありませんから、そのままで大丈夫だと思いますよ。 「それで行くんですか?」 不安げに赤色のドアを指差す。 「大丈夫ですから、ついてきて下さい」 俺はそう言って、自室を思い浮かべてドアを開けた。 その向こうには俺の少しばかり散らかった部屋が広がる。 少しは片付けとけばよかったな。 「ふぇ、なんで禁則事項が禁則事項するの? 禁則事項なのに……」 黒人ラッパー並に禁則事項が入っているが、放送禁止用語みたいなものだろうか。 俺は異空間と化した机の引き出しを指し示して、 「あの中を覗いて下さい」 朝比奈さんは恐る恐る机の中を覗く。 そう言えば朝比奈さんが俺の部屋に来たのは初めてじゃなかろうか。それもパジャマ姿で。 引き出しの異空間は早急にどうにかすべきだが、これはこのままでいいな。 「うそっ! なんでこんな空間が?」 引き出しの中からエコーのかかった朝比奈さんの声が漏れる。 そんなにやばい空間なんだろうか。 朝比奈さんがげっそりとした顔で頭を上げた。 「……これはTPDDじゃないです」 それもそのはず。これはタイムマシーンだ。あんな気分の悪くなるタイムスリップはしない。 「どうしてこんな……もしかして」 朝比奈さんはそう言うと、自分の部屋に駆け戻った。 「交信要請! 交信要請! ふぇえ、お願いだから誰か出て」 朝比奈さんの部屋から必死にどこかと交信を試みる声が聞こえる。 お相手は朝比奈さんの所属する未来人の組合かなんかだろう。 「どうしたの?」 とドラえもん。 それはこっちが聞きたい。 しばらくして、吹けば倒れるんじゃないかと思えるほど弱りきった朝比奈さんが、泣きながら戻ってきた。 「……ふぇ……ぐすっ」 「朝比奈さん、どうしたんですか?」 「キョン君……あたしの未来……がなくなっちゃいました」 どういうことだ。未来がなくなった? 朝比奈さんはうえーんと号泣し始めた。 ともかく、夜半に知らぬ間に連れ込んだ女の子が号泣していたんでは両親に勘違いをされかねん。 俺は朝比奈さんを引っ張ってファンシーな部屋へと戻った。 「未来がなくなったってどういうことですか?」 号泣する朝比奈さんをベッドに座らせて尋ねた。 しかし、返答の代わりにはひぐっだの、ふぇだのいう泣き声しか帰ってこない。 「翻訳コンニャクだそうか?」 うるさい、黙れ。俺はお前の道具をチョイスする才能には一切の信用を置いてない。 五分ほどそうしている内に朝比奈さんはやっと顔を上げた。 泣きはらした目が真っ赤に充血している。 「……キョン君……あたしのこと面倒みてくれますか」 俺はもちろんです、と即答してから、 「一体、どうなったんですか?」 「……あたしの存在する時間が書き替えられたんです」 つまり、朝比奈さんの未来が消えたんですか? そう言うと朝比奈さんはふぇーんと再び泣き出した。 肯定の意味だ。 「ひぐっ……ふぇ……すぅ……すぅ」 しばらくすると寝息が混じりだして朝比奈さんは静かになった。 泣き疲れたんだろうか。 その予想は、がちゃりと開いた朝比奈さんの部屋にあるドアから出てきた人物によってあっさりと覆された。 「やっぱり、こうなっちゃいましたか」 布団に頭を突っ込んで寝息を立てる朝比奈さんをさらに豊かにした感じの朝比奈さん(大)が、呟くように言った。 この人はいつも唐突に現れて、謎の発言を残していく。 そうなる前にいくつか尋ねねばならん。 俺は挨拶も抜きに、 「こいつはアニメのキャラクターじゃないんですか?」 「この次元ではそうかも知れないけど、わたし達の次元とは源流のまったくことなる別の次元ではたしかに存在するの」 朝比奈さんはそう言ってドラえもんの頭をなでた。 よく分からんが、そういうことなのだろう。 しかし、 「未来が消えたってどういうことなんですか?」 「このドラえもん君の存在が未来を変えちゃったの」 「僕?」 ドラえもんが驚いたように顔を上げる。 「そうあなたの技術は巡り巡ってTPDDではなく時空トンネルという形で航時機を開発させるの」 だったらあなたはなんで存在するんですか。 「未来は一つじゃないの。沢山の平面時間が連なって、それは微妙なズレをもって広がるのよ。それを正しい方向に導くのが私たちの役目。でも、本来ならこんな大きなズレはあり得ないんだけどね」 だけど、もう未来は変わってしまったんじゃ。 「いいえ。まだ確定はしてないわ」 俺はえっ、と目を上げた。 朝比奈さん(大)の懇願するような顔が間近に迫る。 「わたし達の未来もこのドラえもん君が元いた場所に帰れるかも、みんなあなたを含めたSOS団のメンバーにかかっているの」 俺達にかかってるってどうすればいいんですか? 「わたしには言えない。だから、みんなで考えて」 ふざけるなと口まででかかった言葉が、朝比奈さん(大)によって塞がれた。 神経が断裂したかのように俺の身体が硬直する。 朝比奈さん(大)はやたら柔らかい唇を俺から離すと、 「これは前報酬よ。ついでにわたしの裸を見たこともね」 冗談のように言った朝比奈さん(大)だが、目だけは真剣だった。 「ちゃんと未来が正しい方向に戻ったときは、そこのわたしからお礼を貰ってね。あっ、でもわたしのことは内緒にしておいて下さい。じゃあ」 そう言って、朝比奈さん(大)は部屋から出ていった。 俺は白昼夢でも見たような気分でそれを見送ったが、やけに生々しい感触が残った唇が夢ではないことを証明している。 ふとドラえもんを見やると眼球の黒目にあたる部分がピンク色のハートに変わっていた。 リアリティにかけるやつだなと溜め息が出ると共に、やらねばならんことがぼんやりと見えてきた。 「ドラえもん、聞いたか?」 「うん、納得した。通りでタイムマシーンが使えないはずだ」 その目をゆっくりと黒目に戻して、 「僕に協力できることならなんでもやるよ」 と力強く言った。 朝比奈さん(大)の言葉を信じるならば、未来は俺たちにかかっているらしい。 何をすればいいのかも見当もつかないが、まずは足りないメンバーを集めねばならんな。 俺は赤色の扉のノブに手をかけて、ニヤけた野郎の面を思い浮かべた。 「うわっ」 がちゃりと開いた扉の向こうでそんな声が聞こえた。 よう古ず……お前もかよ。 湯煙の中、全裸で驚愕の表情を浮かべる古泉の姿がそこにあった。 サービスにも糞にもならんな。 「……これはどういうことですか?」 いいから前を隠せ。 「これは失敬しました」 と言って古泉は湯船に身体を沈めた。 「できるだけ早く用意してくれ。理由はあとで話す」 見たくもない光景に背を向け、朝比奈さんの部屋に戻る。 余程急いだのかものの数分で、服を着た古泉がやってきた。 「これはなんですか? 僕は夢でも見てるんでしょうか」 その視線は当然の如く、どこでもドアと鎮座するドラえもんに向けられる。 「長門も連れてきてからまとめて話す」 納得しかねるといった表情を浮かべる古泉を無視して、俺は無表情の長門の顔を思い出した。 今度は慎重にドアを開くと湯煙は流れて来なかった。 その代わりに開いた隙間からにゅるりと白蛇のような腕が伸びてきて、俺の胸倉を掴んだ。 俺は恐るべき力でドアの向こうへ引きずり込まれて、床へと叩きつけられた。 「おい、長門。俺だ」 無表情で胸倉を掴む長門の手が呆気なく離される。 思い切り床に投げられた痛みが遅れたようにやってきてしばしの悶絶を味わった。 そんな俺に長門が無表情になにか高速で呟くと下手したら骨にヒビくらい入ってそうな痛みが引いていく。 便利な能力だなまったく。 「いきなり空間の凝縮が始まり別の空間と相似したので敵対行動が行われるかと推測した」 制服姿の長門は、そう呟いた。 俺の推測により言い換えるならば、「いきなりワープしてきたから敵かと思って攻撃した。ごめんなさい」だろう。 最後のは推測でもなんでもないが。 これで団長以外のメンバーが揃った。 「…………っと言う訳なんだ」 俺は慎重に言葉を選びながら語り終えた。 言いつけ通り朝比奈さんには朝比奈さん(大)のことは内緒にして、俺の推測ということにした。 「たしかに……そうみたいですね」 と朝比奈さんも納得したようだ。 「ですが、一つ不明な点があります。なぜ、彼はここに来てしまったんでしょう」 彼とはつまり、長門から貰ったどら焼きを頬張るドラえもんのことだ。 「涼宮ハルヒの書いた絵が原因と思われる」 ずっと黙って話しを聞いていた長門が口を開いた。 絵ってのは、今日ハルヒが書いた落書きのことか? 「そう」 「どういうことですか?」 「涼宮ハルヒが書いた絵が空間力場を変質させ、それが時空的な波長と近似していたために、時空的な歪みが生じ、その波が異時空空間を広がり異時空空間にも歪みが生まれた」 なんのこっちゃ。 「つまり、涼宮さんの書いた絵がバタフライ効果のように働いたということですか?」 バタフライ効果ってのはなんだ? 「ブラジルで蝶が羽ばたけばテキサスで竜巻が起こるか、というカオス理論からきた言葉です」 ふーんと聞いていると、 「あの時点で分かっていれば防げたこと。迂闊」 風が吹けばネズミが増えるなんて思いつく奴なんかいないだろ。 「しかし、流石涼宮さんといった所ですね。理由はともかく結果的に実現させてしまうんですから」 と、古泉がここに唯一いない団長の名前を出した。 ハルヒがいたら話しがややこしくなるから呼ばなかったんだが。 はてさて、どうしたもんかね。 「ここは一つタイムマシーンを見て見ませんか? なにか掴めるかも知れませんよ」 タイムトラベル願望のある古泉がそう提案した。 こいつはただ見たいだけかも知らんが、たしかに闇雲にここで考えるよりもいいかも知れんな。 そういうことで、ハルヒを除くSOS団団員は俺の部屋に行った。 いやはや、ほんとにどこでもドアは便利だ。 「そうですね。一家に一台欲しい所です。で、問題のタイムマシーンはどこにあるんですか?」 と急かす古泉に、机の引き出してやると、 「これがタイムマシーンですか」 不思議空間に頭を突っ込んで楽しそうな声をあげた。 なんでこいつはここまで緊張感がないんだ。このまま後ろから突き落してやろうかな。 と考えている内に、ふと思いついた。 「長門、この空間をどうにかしてドラえもん戻せないか?」 「できなくはない」 おお。じゃ、やってくれ。 「ただ、この空間を異時空空間に戻す際に莫大なエネルギーが放出される」 「どのくらいでしょう?」 と、不思議空間から俺に突き落とされることなく生還した古泉が尋ねた。 「宇宙の初期化が行われるレベル」 「ビッグバンですか?」 「そう」 ビッグバンって宇宙レベルかよ。 そんな物騒な案は即刻破棄するとして、どうすればいいんだろう。 朝比奈さん(大)の言葉を思い出す。『未来はSOS団にかかっている』か。 そんなたいそうなことを言われても、SOS団とは“世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団”だしな。 目的は強いて言えば…………。 ああ、なるほど。こういうことか。 未来から来てるし、それに結局その未来も異次元らしいし、ロボットだし、不思議道具もあほみたいに持ってるし。 たしかにこいつなら適任だ。 俺はハルヒがいつか言った言葉を思い出した。 『宇宙人や未来人、超能力者を探し出して、一緒に遊ぶことよ』 ハルヒは隣りでいつも遊んでいるやつらこそが宇宙人や未来人、超能力だということを知らない。 ここは一つ、我らが団員の夢を叶えてやらねばならんようだ。 文字通り夢は夢として。 俺はそれが少しばかり面倒だが、正直にいうと胸が踊った。 断言できる。こんなチャンスはもう二度とこない。 これがまさかあんなことになろうとは、それこそ夢にも思わなかった。 つづく
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/877.html
「ねえキョン、あんたどんなところ就職するのよ?」 ハルヒは俺の胸に顔をうずめながら、左指で俺の乳首をいじっていた。 すでに行為は終わっていたし、感慨もなくただされるがままだ。 それにハルヒは俺の胸に寝るのが落ち着くらしく、 週末にはこうやって東京で一人暮らしをしている俺の部屋に遊びに来るのだ。 俺は大学受験を終え、東京の有名私立大学へと進学した。 ハルヒも同じ学校に進学したが、俺とはレベルの違う学科だった。 すでに能力は消えていた。 ハルヒは大学に入って最初の一年はやたらともてていたが、 ずっと俺と一緒にいたおかげで、今は声をかけるものはいなくなった。 ハルヒ曰く、 「馬鹿大勢より、大事な人一人のが価値があるでしょ」 だそうだ。 ハルヒは俺に身体をくっつけたまま上目遣いで俺を見つめた。 「ねえ、時間はあるんだし、もう一回しましょ」 「分かったが、俺は就活で疲れてるんだ、お前が上になれよ」 「分かったわよ、ちゃんと前戯ぐらいはしてよね」 「じゃあ、ちょっと横になれ」 俺はハルヒを下にして、強引に脚を広げた。 いつみても綺麗だって思ってしまうのは、ハルヒの毛が薄く、 割れ目が見えていることだけじゃない。 ひきしまった陰唇はすでに濡れていて、俺を受け入れるのには十分だった。 ハルヒは前戯が好きだ。 初めてした時、俺が舐めようとするのを拒んだが、今では整った顔を歪ませて声をあげている。 「なあ、もういいんじゃないか。十分濡れてるぞ」 「そうね。さっき一回イってるし、十分かも」 そういうとハルヒは起き上がって俺の上に跨った。 「ちょっとキョン、なんでまだこんなに硬いのよ」 ハルヒは俺のペニスを痛いほど強く握って、嫌な笑みを浮かべた。 「入れるわよ」 ハルヒの中に入っていく感触が伝わった。 「んっ…、あっ」 ハルヒは光悦とした表情を浮かべ、俺を見下ろし、ゆっくりと腰をスライドしだした。 「どう? 気持ちいい?」 「かなり」 ハルヒの中はいわゆる名器というやつで、締りも肌触りも俺とぴったりだった。 ハルヒはそれだけいうと、それ以外はなにも言わなかった。 ただ、卑猥な音とハルヒの喘ぎ声だけが狭い部屋に響いた。 「んっ、はぁ、……いや! あ! んっ…」 ハルヒは腰の動きを激しくしだした。 それにあわせて俺も腰を振った。 「ちょっとキョンなんでつくの!? いや、だめ! もう限界! んっ!」 中が急激に締まると、俺は簡単に限界を迎えた。 「で、キョンあんたどこに就職すんのよ」 ハルヒはブラジャーをつけながら言った。 「そうだな、大手の出版社なんか狙ってるんだが」 「また無理そうなところ狙って、落ちても慰めてなんかやらないわよ?」 「やってみないと分からんだろ」 「まったく」 面接当日。 「はい、お守り」 ハルヒはお守りを俺に手渡してきた。 「大学受験じゃあるまいし、要らないだろ」 「ちゃんとよく見なさいよね」 あ、そういうことか。 「大学受験のとき、これ一緒にわざわざ太宰府までいって買いに行ったでしょ? それで一緒に合格できたんじゃない。 今回もね。だから、もっていきなさいよ」 「あ、ありがと」 「まったく、それぐらいしかやってあげられることないからね!」 「分かったよ」 「頑張りなさいよ」 俺は胸が一杯になった。 たまに優しさを見せるハルヒがとても愛しかった。 それは、前から決めていたことでもあった。 「なあ、ハルヒ?」 「なに?」 「大学でたら、結婚しないか?」 「え?」 俺はもう一度繰り返した。 「大学を出て、就職をしたら、結婚しないか?」 「わ わたしはいいけどさ…。 あんたはそれでいいの?」 「いいさ。俺にはハルヒしかいないから」 ハルヒは抱きついてきた。さっきみたいな卑猥な感じじゃない。 優しく、そっとだ。 「ありがとう、でも本当にいいの?」 「ああ」 俺は抱きしめ返した。強く、力強くだ。 そして俺たちはとても静かなキスをした。 「いってらっしゃい」 ハルヒは笑顔でそういってくれた。 「行ってくるよ」 「帰ったら、ご飯の準備しとくわね」 「ああ」 ハルヒの笑顔を見つめ、そして俺は履きなれない革靴に足を入れた。 「じゃあ、行ってくる」 「早く帰ってくるのよ!」 俺はドアを開け、さわやかな気持ちで、右足を踏みしめた。 外は無駄な暑さで、空には大きな入道雲がそびえていた。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3468.html
ハルヒ「今日は不思議探索をするわよ」キョン「やれやれ」小泉「今日はどこに行くのでしょうか?」ハルヒ「今日は遊園地に行くわよみくるちゃんはコスプレしてね」みくる「ふぇ~」谷口「俺も行くぜ」キョン「なんでお前が」谷口「遊園地にはカップルがいっぱいだからだぜ」キョン「わかったよ。」佐々木「ボクも一緒に行こうかな。」キョン「お前もかよ」佐々木「とても楽しそうだからね。」橘「わわたtyしもいくのです」藤原「くだらないがボクも行こう」 朝倉「私も行こうかしら」長門「なんであなたがここに」朝倉「まあいいじゃない細かいことは」長門「そう。」喜緑「私も監視訳としていきますから」キョン「なら安心だな」鶴やさん「おっとわたしを忘れてもらっちゃ困るっさ」森さん「私も機関の一因とdしていくわよ」ハルヒ「ああもう!みんないらっしゃい!人数は多いほうがいいわよ!あ、料金はキョンが全額負担ね。」キョン「なんじゃそりゃ」 ちゃんちゃん♪ 追記:これは妹が夜更かしして書いたSSだ。正直誤字だらけだし意味不明だし見るに耐えないものだと思う。 だがあいつの頑張りに免じて、削除だけはしないでほしい。 by SOS団雑用
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3228.html
それは突然の事だった。授業が終わり、部室でハルヒが宣言したのだ。 「キョン、セックスしよ。」 今部室では幸い二人っきりだ。OKOK、落ち着け俺!今日は四月一日でもないよな。 「おい、お前いきなり何を言っているんだ?洒落にならんぞ。まったく俺だって健全な高校生なんだからな」 ハルヒは顔を俯いたまま床下を見ている。今なら説得出来そうだな、よし! 「もしかしたら、俺が本気でお前の事を犯すかもしれんぞ。さっきの言葉を本気にして…それで妊娠してお前の将来がめちゃめちゃになったらどうする?」 ハルヒは小さな言葉で呟いた。 「あたし…キョンとなら……い、いよ」 ん?小さく何を言っているのさっぱり分からん。こんなしおらしいハルヒを見るのは久しぶりだな。 だが・俺は少しハルヒに意地悪したくなったのだが、さてどうする?やっぱりこれしかないか 「おい、ハルヒよ。俺としたいのなら言うことを聞け!」 意外なことにハルヒはコクっと頭を動かし怯えた子猫の様にこちらを見る。 「とりあえずスカートを捲れ。」 ハルヒは俺の言う通りスカートを捲り上げる。驚いたね、いつもならこのエロキョーンと叫びながら殴り付けるのに もしやこれは今までの仕打ちを返すチャンスかもしれんな。それともどっきりカメラかも… だがハルヒはスカートを捲り上げたままこちらを凝視している。多分次の命令を待っているのか? 「次はブラウスとスカートを脱げ。机の上でM字開脚するんだ」 これは思った以上にとんでもない。既にハルヒは下着姿でそれもM字で股を開いている。パンツに少し染みがあるがもしかして興奮しているのか? あの唯我独尊の団長様が…見ているのも体の毒だ、触ってみたいのが健全な高校生なんだよハルヒくん 「ハルヒ、俺が今からお前の体触るからな。その時は声を出すなよ?出したら止めるからな」 「うん…分かったよキョン…我慢するね」 俺は、人差し指をハルヒの肩から文字を書くように滑らす。気が付いたのだが、なぞっているとあいつはビックと体を震わせている。 以外に敏感なんだなハルヒよ。本当なら大事な所等を攻めたいが少し焦らしてやる。その分楽しませてもらえるからな 耳に息を吹き掛けたり、甘咬みをしてみる。いつも朝比奈さんにやっている事だからな…お前も受けてみろよ 「う…っ…く…うぁ…」 強情に耐えているな。左手で股の隙間を擦ってみると息の上がりが激しくなっている。まだ秘部には到達していないのに、この調子で触ったら一体どうなるのか見当もつかない。 「ハルヒよ、今から耐えた御褒美をやるから声を上げてもいいぞ」 俺は直接ブラの隙間に手を突っ込んだ ハルヒのそれは朝比奈さんより若干劣るものの、掌に合わせたようにちょうどいい大きさだ。 少し進んだところで、指に突起が触れた。その瞬間、ハルヒは腰を跳ねた。こいつは本当に感度がいい。 「ちょっ、ちょっとまっ‥あぁっ!」 ハルヒのそれはみるみる肥大した。俺はそこを激しく責め立てる。 悶えているハルヒ。俺は顎に手を添えて強引に唇を奪う。 ちゅぱ…んん…じゅる唾液が交じり合う。お互いの舌を絡み合えをしながら歯茎等を攻める。 余っている右手をショーツの中に入れる。反応がまた変わってきた。指先で触れると、陰毛からクリトリスまですっかりベタベタしていた。 「ちゅぱ…きょきょん…もっとあたしを…ふぁぁぁ」 段々態勢がきつくなってハルヒを引き剥がそうとしたらあいつは泣きそうな顔をしてこっちを見ている。 やばい…ハルヒに初めて萌えてしまった。ここは口には出さないことにする。 「ハルヒ…これを見ろ。俺もお前で興奮している。だから、分かるよな?」 俺はズボンとパンツを降ろし外に出たジョン(息子俺命名)はビクッビクッとハルヒの方向に向いている 「キョンのおっきい…ふふふ」 いやらしい口から放たれるその言葉は俺にとって理性を壊すのに十分な威力だ。 「ハルヒ、俺のコレを静ませなければいけない。」 俺はハルヒの手をとり握らせる。初めて異性に触られる快感、細い指で上下に擦る。 「すごい、また大きくなったねキョン…」 くう…気持ちいい、いつの間にか立場が逆転していた。袋を口に含み尿道に絡めてくる細い指 思わず射精感が込み上げてくる。それを見透かしてハルヒは激しく擦り上げていく、カリが大きくなる。 「で、出る!ハルヒ離せ、顔にかかるぞ」 言った瞬間ハルヒは俺のジョンにしゃぶりついてきた。 ドピュッドピュッと俺はあいつに口内射精をしてしまった。普通なら離すのにあいつは離さず。 精液をおいしそうに飲み込む。ドロドロしていててこずっていたが、嬉しそうに100万ドルの夜景並の笑顔を振りまいていた。 嬉しそうなハルヒの笑顔…ふと思い出す。あいつは俺とのセックスが目的ではなかったのか? 実は俺のジョンも再充電している。これもハルヒが望んでいる事だろう。こうなったら話は早い 「ハルヒ…また、大きくなったのだが?責任とってくれるよな?」 「え?」 何驚いているんだよ。お前が望んだからこうなっているんじゃないか、まさかここまでしていて拒否はないだろう。 兜虫だって目の前にある蜂蜜等無視できないさ 「俺はハルヒが欲しい。一生大事にするから、抱かせてくれ」 そう言うとハルヒはニヤニヤしながら俺の顔を見つめながら話し掛ける 「ふふ、やっとあんた素直になったわね。いつまで待たせる気だったの?あたしはこうでもしないとあんたの本音が聞けなかったからね」 げっマジかよ。ハルヒにしてやられたみたいだな、しかし悔しくはない寧ろ良かったと思う。 「まあいいわキョンの好きにしなさい、初めてだから優しくするのよ?団長命令なんだからね」 ハルヒを再び抱き寄せいつもなら絶対言わない言葉をかける。 「ハルヒ…愛しているぞ…この世界で一番」 「グスッ…キョン…世界じゃなくて宇宙で一番と言いなさい。でも、ありがと…」 お互いの気持ちが重なっていく、心も肉体も。胸を揉みながら口付けを行なう。 ふと思ったことがある。それは、さっきハルヒにジョンを舐めてもらったからなお礼をしなければならん。 「お前のアソコ舐めていいか? 」 「汚いから舐めなくてもいいわよ。でもどうしてもと言うなら…あたしはいいわ」 俺は押し倒し股を開かせ初めて生で見る女性器。エロ本で見るよりも興奮した。 「まじまじ見ないでよ…恥ずかしいし、キョンは初めて見るの?もしかして佐々木さんと…」 「佐々木とは何でもない。俺はエロ本でしかないから安心しろ」 肉色はピンクに近いな。しかし昨日までハルヒとこんな関係になるとは思わなかったな。 陰芯に舌を突き出しスジを舐め回す 拡げながら舐め回すとハルヒの顔を見ながら反応楽しむ。 「あ、あん…そ、そこよキョン…うん…」 クリトリスの皮を剥き先端にピンポイント攻撃!俺は女の潮吹きを初めて食らう事になる。 「ああぁぁぁぁぁぁーっっ!いくぅぅぅーっっっ!!キョーン!!」 クンニに集中していたから避けられずに顔面に液体がおもいっきりかかってしまった。 「うわーちょっと待て!」 「ちょっとキョン大丈夫?ぷぷぷっあはははーゴメンね!あんたの顔最高」 かけた本人のくせに、まったく困ったものだ…笑った仕返しに顔を舐めてもらうか? いや止めておくか…逆なら恐ろしいことになるからな…やれやれ 「キョン?もしかして怒った?本当にゴメンね。だってすごく気持ち良かったの…」 「俺は別に怒ってないぜ。だだ少しショックだっただけだ。」 「キョン…あたし気持ち良かったの初めてだったから、許してくれるかな?それにまだアレも残っているし…」 ああそうだったぜもう少しで萎えそうだったが、どうやら俺の息子は親孝行らしい 再びキスをねだるハルヒのリクエストに答えしばらくすると俺の目を見つめ合図をする。もういいって事だな。 再び俺はハルヒを抱き寄せて正上位の体型にもっていく ハルヒの遥(陰部俺命名)を開き俺のジョンを挿入していく ハルヒの中は予想以上きつく暖かいぜ。言うならかずのこ天井ってやつかな?俺の息子への吸い付きが半端じゃない。 「キョン…が中に…くう…また大きくなるよう…」 入れたばかりなのに、射精感がまた込み上げてきそうだ。しかしハルヒは処女のはずだが… まさか既に非処女なのか?中学時代、色々な男と付き合っていたのは知っている… だがハルヒは初めてと言ったから間違いはないはずだ、俺は信じることにした 俺は少しづつストロークを上げる。そのたびにハルヒは喘ぐ。 「あん…あん…キョ…気持ちいい…もっと乱暴にしてもだ、大丈夫よ」 そうかい、ならスピードアップする。でもすぐに出そうなので体位を変える事にしたほうがいいな 「ハルヒよすまんが四つ馬になってくれ。後ろからやってみたい、いいだろう?」 ハルヒは顔を真っ赤にして少し睨みを入れて話し掛ける 「あ、あんた正気なの?後ろから?本当に初めてなの?この変態エロキョン」 後ろから突きまくる。俺は小さな葛藤と戦っていた。ハルヒを乱暴して支配したい心。もう一つは愛しくハルヒを大事にして優しくする心だ 性交しているのに冷静になれるのはなんでだろうね。まったく俺は少し変態かもな… 気付くのが遅いかもな!もう少し奥まで突いてみた。 ズズッ…クチュ…いやらしい音が部室にこだまする 「あん…キョーン!あんたのアレ…うん…子宮に当たるわ…凄い何これ」 やばい、あまりにもハルヒの中の締め付けが丁度ジョンとの相性が抜群なのだ 「キ、キョン…次はあたしがキョンを上から見たいの、だから…いいかな?」 今度は騎上位かよ!心の中で突っ込みをいれる。 「分かったよ、お前の好きにしろ。」 ハルヒは嬉しそうに俺の上に乗りジョンを掴んで再挿入を行なう。 「あん、あん、これも気持ちいいよ。やっぱりキョンとあたしは最高のパートナーね!」 俺はハルヒの胸を揉み解す。なんか俺が犯されている感じだなこれは、しかし騎上位というのは精子を出す時難しいな。いったん退けなければいけないからな そう思いながら下を確認すると結合部から出血があった。これは純潔を破った証拠なんだな… ハルヒの動きが激しさを増す。これ以上は勘弁してくれ 「おい!やばいって出そうだ。聞いているのか?」 「うん…あん…キョンキョンキョーン何で…何か来そう」 まったく聞いちゃいない!このままでは俺はやばい事になる。射精感が限界に近い 「頼むよ…ハルヒ出そうなんだ。妊娠したくないだろ!おーい」 「ちょっと待ってよキョン!もう少しもう少しで何かが来そうなの」 「な、何?キョン中でプクッとしているわ!先端が大きくなっているじゃないの!」 更にジョンを締め上げていく。ダメだ…俺は耐え切れず。そして… くう…俺はメルトダウンしてしまった。やはり騎上位はやるのではなかった。 中で精子がハルヒに吸い取られる。 「ちょっとキョン!中に何を出したの!」 「スペルマ、ザーメン、子種、精子と言われるものだが」 まあ受精すれば子供が出来る。男と女の交わりで作る。なんて神秘的なんだろな 「妊娠しちゃうじゃないの!馬鹿キョン!あんたわかってんの?」 お前が話を聞かず騎上位で退かないのが悪い!と言いたいが…言ったら閉鎖空間どころじゃないからな 万が一子供が出来たら俺が責任とる。俺だって男だからな、その位頼りにしてくれよ。 「ハルヒ、もしもだ。出来たら一緒に育てよう。俺達の子供だ、ここで赤ちゃんを流す事は考えていないぞ。親の都合で命を奪うなんて俺はしたくない」 俺って格好いいな!ハルヒは涙を流している。 「グスッ…キョン。ありがと…出来たらあたし生むから」 俺はハルヒを抱き締めキスをする。やっぱりこいつを一生大事にしないとな…そして 突然ドアが開いた。 ガラッ 「遅れてしゅみましぇーん」 「………」 部室内が異様な雰囲気となっている。朝比奈さんは目をあさっての方向に向けながら 「あ、あ、あのう、これはお楽しみのところすみましぇーん」 朝比奈さんは真っ赤なになりながらパタパタしている「本当に知らなかったのです。ま、まさか涼宮さんとキョン君が禁止事項をしているなんて」 さっきから朝比奈さんが俺のジョンを熱い眼差しで観察されていますが… あーダメですよ。いくら手で目を隠そうとも隙間から見ているのがバレバレです 「ひゃっ!……す、すいません…ごゆっくりぃ;;」 いったい朝比奈さんは何をしに来たのか…まあ団活だが… とりあえずハルヒさん服着たほうがいいんじゃないか? 「キョンもう一度する?どうせ一回も二回も同じなんだしさ」 もう一度やるのか?確かに朝比奈さんに見られて興奮しジョンも起きたままだから…つーか我ながら凄いな 「じゃあ一応鍵かけておくか?誰にも邪魔されないようにな。」 俺は扉に鍵を閉めハルヒと再び向かい合う 「一応騎上位は止めような。出すとき不便だし…結婚したら何回でもやってやるからさ」 「うん!約束よ。キョン、忘れたらどんな手を使っても思い出させるからね」 どびっきりの笑顔で俺を迎える未来の俺の妻 もう既に俺の将来も決まっていたのかね。退屈するより遥かにマシだ だからこそハルヒが必要なんだろうな。重なり合いながら今後の事を考えていた。 一応完
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3311.html
古泉「……おっと、そろそろ保守の時間ですね。『●<バイショォオオオオオオオオオオオオオ!!!!』、書き込み…と」 古泉「さて、投下がないかリロード…と」 古泉「……ん?」 172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage]2007/10/02(火)04 52 03.24 ID HO/shuh0O 保守 173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage]2007/10/02(火)04 53 04.96 ID k01zum1kO ●<バイショォオオオオオオオオオオオオオ!!!! 古泉「……過疎時に僅差で後から保守すると、なんか負けた気分になりますね」 古泉「そう言えば…さっきから二回連続で同じIDに負けてます…相手の保守間隔もきっちり30分…」 古泉「…………」 ~30分後~ 古泉(5、4、3、2、1…今だ!) 古泉「『保守』、と」 古泉「…………」 174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage]2007/10/02(火)05 23 11.24 ID HO/shuh0O 保守 175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage]2007/10/02(火)05 23 24.96 ID k01zum1kO 保守 古泉「……くあっ!」 古泉「……どうする?フライングして29分後に保守するか?……いや、そんな勝ちを拾って嬉しいのか?古泉一樹!」 古泉「きっちり30分後です…30分を切っても負けです。それがこのゲームのルール!」 ~更に30分後~ 古泉「『ほ』!」 古泉「……ッ!」 176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage]2007/10/02(火)05 53 26.12 ID k01zum1kO ほ 古泉「……やった」 古泉「……僕はやりましたよ!機関のみんな!」 古泉「さて、好敵手の保守を待ちますか……」 古泉「…………」 古泉「……書き込みがありませんね」 古泉「…………」 古泉「……もしかして、寝ちゃったんでしょうか?」 古泉「……なんとなく完全敗北した気分です……」 長門「Zzzz…」 保守。 古泉「ふぅ…小ネタ書いて満足したから次は長編の続きです。今日は筆が乗りそうな気がしますよ」 ~30分後~ 古泉「……一行も進みませんね」 古泉「…………」 古泉「……今日は保守ネタ書いたからノルマクリアということにしましょう」 古泉「久々に書き上がりました。早速投下を……っと。長編の投下中ですか」 古泉「……『GJ!まさかの谷口フラグwww』、と。ん~…投下直後ですし、少し間を開けますか」 ~少しして~ 古泉「……もうすぐ1000行きそうですね。これは次スレを待ちましょう」 古泉「…………」 古泉「『1000なら古泉主役の感動巨編が投下される』、と」 古泉「…998…」 ~次スレ~ 古泉「『1乙』、さて……ん?お題募集ですか?」 古泉「…………」 古泉「『リーダーシップのある古泉』、と」 古泉「あぁ!投下が!『リロってなかったorz支援』、と」 ~更に少しして~ 古泉「そろそろ投下しないと人がいなくなりそうですね……って、こんな夜中に森さんから着信?」 ~通話中~ 古泉「はい、ですから24階の宝箱はスタート地点で剣を振れば出ます。26階はそれがないと取れません」 ガチャ 古泉「ふぅ…携帯ユーザーはこういう時不便です。さて、やっと投下を……」 古泉「……スレが落ちてる」 古泉「ネタに詰まりました……少し前回の話を読み返してみますか」 古泉「…………」 古泉「……あ、ここ伏線として使えそうですね」 古泉「…………」 古泉「……やっぱり自分の話を読むのは少し恥ずかしいですね」 古泉「…………!」 古泉「……微妙な誤字が……このままでも意味は通じるから問題はないですが……」 古泉「あぁ!気になる!……こんな少しのミスでまとめ人さんにお願いしていいんでしょうか?」 古泉「……読み飛ばせるレベルですし放置しますか?……でも、気になる……機関のPCから修正……いや、森さんにバレたら絶対にネタにされる……」 古泉「……うあぁ~!」 古泉「ん?メール?……森さんですか」 古泉「……また、ドルアーガですか?……えーと……上、右、下、左の順番に三回入力でしたっけ?」 古泉「取り敢えず、返信メール作成を……ん?」 『保存メールがいっぱいです』 古泉「……またメールボックスを整理しないといけませんね。気が付いたらSSとネタメモだらけです」 キョン「あれ?古泉のヤツ携帯忘れてる」 ダッダッダッダッダ! 古泉「すいません!携帯置いてなかったですか!?」 キョン「あ、あぁ…ほら、これ」 バッ、パカッ、カチカチ…… 古泉「……中、見てないですよね?」 キョン「そんな無神経なことはしないが……どうした?そんなに慌てて?」 古泉「い、いえ。なんでもありません……」 キョン(……エロい待ち受けにでもしてんのか?) 古泉(……書きかけのSSの画面……危ないところでした) 古泉「さて、そろそろ寝ますか」 古泉「…………」 ウトウト… 古泉「…………!」 古泉(プッ…ククッ…このネタは行けます!) 古泉(携帯にメモを……) ~翌朝~ 古泉「ふぅ…よく寝ました」 古泉「…!…そうだ!昨日メモったネタを……」 パカッ、カチカチ…… 『新川VS森~南海の大決戦~』 古泉「…………」 古泉「……いや、これだけじゃどんな話か分かりませんよ」 ~小テスト中~ 古泉「…………」 カリカリ… 古泉「…………!」 古泉(こんな時に限って強烈な電波が…!メモを…) ゴソゴソ… 教師「コラ、古泉。テストに関係ないものは仕舞いなさい」 古泉「あ、すいません……」 古泉(…くッ…!何かメモれるものは…?) 古泉「…………」 ~放課後・職員室~ 教師「……何だ?この『ヒミツの保健室なSOS団』って?」 古泉「えっと、それは……」 教師「『朝比奈さん=先生、佐々木さん=佐々木、谷口君=ナカヤン』……?何の暗号か知らんが、テストに落書きするなよ」 古泉「……はい。すいませんでした……」 SS作者古泉くん保守 ~古泉のマンションにて~ 古泉「どうぞ、お入り下さい」 キョン「おぉ、いい部屋だな」 古泉「機関が出資してくれてますから……飲み物を淹れますけど、コーヒーにしますか、紅茶にしますか?」 キョン「じゃあ、コーヒーで」 古泉「少々お待ちを」 コポコポコポ… キョン「お?今週のジャンプ。古泉ぃ~ジャンプ見せて貰っていいか?」 古泉「どうぞ、ご自由……に……」 古泉(……って、しまったぁぁ!) キョン「えーと、ハンターハンターは次からだっけ?」 パラ… キョン「……ん?」 キョン「なぁ、古泉……なんで漫画雑誌に付箋貼ってるんだ?しかも、こんなにいっぱい……」 古泉(言えない。SSのネタのためだなんて言えない……) SS作者古泉くん保守 古泉「書き込み…と。ふぅ……あと3レスです」 古泉「長い話だと携帯からの投下は少し不便ですね」 古泉「7レス目は……と……あ!」 古泉「……どうしましょう?投下中にもっといい表現を思い付いてしまいました」 古泉「……修正しましょう。2行追加して……書き込み……と」 古泉「8レス目に7レス目の2行をズラして投下……と」 古泉「9レス目にも2行ズラして……」 古泉「……!!」 古泉「しまった!1行だけ余ってしまいます!」 古泉「…くっ…仕方ない、もう1レス追加して投下しましょう……」 古泉「……最後の1レスだけ1行しかないのは凄く気になりますね……」 SS作者古泉くん保守 古泉「そこはFC版とAC版で条件違いますけど、そのアイテムは無視して結構です」 ピッ 古泉「ふぅ…さて、電車が来るまでかなり時間がありますね。小ネタでも書きますか」 古泉「~♪~♪」 カチカチ…カチカチ… 古泉「筆が乗って4レス分になってしまいました」 古泉「投下中でもなさそうですし、早速書き込みましょう」 古泉「『保守ネタ、4レス貰います』、と」 古泉「…………」 カチカチ…カチカチ… ピーッ!ピーッ! 古泉「はぅぁ!?バッテリーが!!通話前まで3つだったのに!!」 古泉「……どうしましょう?オチを投下出来ませんでした……」 SS作者古泉くん保守 キョン「……で、ハルヒが怒って帰っちまった訳だ」 古泉「……なるほど」 カリカリ…… キョン「……なぁ、さっきから何メモってるんだ?」 古泉「閉鎖空間が発生した理由をまとめた、機関への報告書です。ご安心を、あなたのプライバシーに関する部分は伏せますので」 キョン「……そんなことまでするのか、監視ってのは大変だな」 古泉「いえいえ」 キョン「……なんか嬉しそうだな?」 古泉「気のせいですよ」 古泉(今回はデート中の痴話喧嘩ですか…これで次回のSSネタゲットです♪) SS作者古泉くん保守 古泉「むぅ…この作者さんの長編はいつ読んでも凄いですね」 古泉「コメディ調に話を進めながら、裏ではシリアスな話を展開し、きっちり伏線回収……」 古泉「僕もこんな話を書いてみたいものです」 古泉「……しかし、どこかで読んだことがある気がするんですよね。この文章の書き方」 古泉「……まとめサイトでしょうか?」 鶴屋「よっしゃっ、次はガチな古キョンでも書くさっ」 SS作者古泉くん保守 古泉「き……」 カチカチ… 古泉「き……」 カチカチ… 古泉「…………」 カチカチカチカチ 古泉「あぁ!もう!どうして『喜』がこんなに後半なんですか!?」 古泉「最近の携帯は変換候補が多すぎて、逆に不便です」 SS作者古泉くん保守 長門「…………」 パラ… キョン「お?やけに薄い本読んでると思ったら携帯のパンフレットか。携帯変えるのか?」 長門「…………」 コク キョン「どんなのがいいんだ?カメラの性能がいいヤツか?テレビが見れるヤツなんかもあるな」 長門「……パケ放題が出来て、メールが全角2000文字以上打てるタイプ」 キョン「……は?」 長門「……今の私の携帯では一回の投稿で全角512文字が限界」 キョン「はぁ…?」 長門「……今のは忘れて」 キョン「……よく分からんが、その条件なら俺の携帯がそうだな。一緒のにするか?」 長門「…………」 コク SS作者古泉くん保守 古泉「『そして、世界は三度改変された』、と」 古泉「ふぅ…プロット完成です。ちょっと長めですね…SSにしたら全八話くらいでしょうか?」 古泉「……全八話か……」 古泉「今日はもう遅いですし、書き出すのは明日からにしましょう」 ~三日後~ 古泉「……あ、例の長編まだ書いてませんね」 古泉「…………」 古泉「……プロットが完成しただけで、やり遂げた気分になるのは僕だけでしょうか?」 SS作者古泉くん保守 古泉「今日こそは!」 カチカチ… 古泉「…………」 カチカチ… 古泉「『その華奢な体に腕を回し』……」 カチカチ… 古泉「『互いの鼓動が聞こえるほど顔を近付けて、そっと、囁く』……」 古泉「…………」 古泉「……やっぱり無理です!消去!消去!」 カチカチッ 古泉「はぁ…こういうシーンは恥ずかしくてどうしても書けません……」 古泉「…………」 古泉「……『好きです』」 古泉「…………」 古泉「うあぁッ!無理です!無理!」 ジタバタジタバタ SS作者古泉くん保守 古泉「『長編に詰まるとつい短編のネタを考えてしまう』、書き込み、と…はぁ…本当に長編が進みません」 鶴屋「ん?書き込みにょろ。『長編に詰まるとつい短編のネタを考えてしまう』……あ~分かるにょろ」 鶴屋「『あるあるww』、とっ」 古泉「あ、レスが付きましたね……『で、気になるから先に短編に手を着けたり』、と」 鶴屋「あははッ!分かる!分かるさっ!『ありすぎて困るww』、とっ」 古泉「お?レス早いですね。ん~……『で、結局短編も詰まって書き上がらなかったりww』、と」 鶴屋「…………」 カタカタ… 古泉「リロード、と。あ、返信レスありますね。えーと、なになに?……『それはない』……?」 古泉「…………」 古泉「……さて、長編の続き書きますか」 SS作者古泉くん保守 古泉「ズシャァァァッ!」 古泉「…………」 古泉「ズバァァァァッ!」 古泉「…………」 古泉「ズキュゥゥゥン!」 古泉「…………」 古泉「ちゅどーん」 古泉「…………」 古泉「読む時はなんとも思わないですが、自分で書くと擬音ってなんか間抜けに感じてしまいます」 SS作者古泉くん保守 ~続・編集長★一直線!~ キョン「むぅ…また恋愛小説か」 古泉「今回は僕も恋愛小説ですね。プロットは山ほどあるから楽勝です」 キョン「…………」 古泉「あ、一つプロットをお譲りしましょうか?あとはただ文章化すればいいくらいには書き込んでますよ?」 キョン「…………」 古泉「何がいいですか?ラブコメ、純愛、悲恋モノ。僕はラブコメで行くので別ジャンルがいいかも知れませんね」 キョン「…………」 古泉「オススメはツンデレなヒロインと鈍感な主人公のすれ違いを描いた――」 キョン「……古泉」 古泉「――純愛モノなんですが……って、はい?なんでしょうか?」 キョン「……まず、プロットってなんだ?」 古泉「……あ」 キョン「……あと、やけに楽しそうだな?」 古泉(しまった……つい調子に乗って……) SS作者古泉くん保守 長門「……初投下」 長門「……ドキドキ」 長門「……感想レスが付いた」 長門「…………」 長門「……『カオスww』、『シュールww』、『アナル行けww』、『是非尻穴スレに来てくれww』……」 長門「…………」 長門「……私が書いたのは純愛モノ」 SS作者古泉くん保守 ~続々・編集長★一直線!~ 古泉「プロットというのは物語を書くための構想やあらすじのようなモノで……」 キョン「…………」 古泉「……今回のように再び小説を書かなければならない時のために書き貯めておいた訳です」 キョン「……なるほど」 古泉(……はぁ~…なんとか誤魔化せました) キョン「……ところで古泉」 古泉「なんですか?」 キョン「このプロットとやらに登場する主人公とヒロインが、俺とハルヒにそっくりな理由を詳しく説明して貰おうか?」 古泉「え?……あ」 古泉(し、しまったぁぁぁぁッ!) SS作者古泉くん保守 ~続々々・編集長★一直線!~ キョン「……俺とハルヒの喧嘩や騒動をおもしろおかしくネタに仕上げてた訳か」 古泉「……すいません」 キョン「あんまりいい気はしないな」 古泉「……ネタに困ってまして……本当にすいません」 キョン(……たかだか年に一、二回の機関誌のために、なんでそこまでネタが必要なんだ?) キョン「まぁ、いいか。それより古泉」 古泉「……なんですか?」 キョン「これだけネタがあるってことは小説化したのもあるんだろ?読ませてくれ」 古泉「…………」 古泉「無理無理無理無理!無理です!」 キョン「なんでだよ?いいだろ?どうせ機関誌に載ったら読むことになるんだし」 古泉「今完成してる分は人様に読ませられる話じゃないんです!」 古泉(……だって完成してる小説は全部二次創作ですから) キョン(……おいおい、まさか18禁か?) SS作者古泉くん保守 ~各々の好み~ 古泉「ハルキョンだけはガチです」 長門「……二次創作だからこそ長キョン、長古」 鶴屋「カップリング?特に気にしてないにょろ。会長と古泉君なんか面白いかもねっ」 ~番外編~ 森「タジミハが私のジャスティス」 SS作者古泉くん保守 ~♪~♪ キョン「ん?メールか」 ダッダッダッダッダッ! 古泉「はぁッ!!」 キョン「うおッ!?」 ガッ! ゴロゴロゴロ…… バッ、パカッ、カチカチカチ…… キョン「……古泉……わざわざ俺の教室まで走ってきて、飛び込みざまに俺の携帯を奪い、受け身を取りながら勝手に携帯を操作した理由を説明して貰おうか?」 古泉「長い状況説明、ありがとうございます。さすがに台詞と効果音だけでは限界がありますね」 古泉「えーとですね……そう、間違って機関へ送る機密文書をあなた宛てに送信してしまいまして。見られる前に消去する必要があったんですよ」 キョン「……お前、機関の名を出せば俺が納得すると思ってないか?そんなもん普通は携帯のメールでやり取りしないだろ?」 古泉「し、信じて下さい!」 キョン「……まぁ、いいけど。ほら、携帯返せ」 古泉「……すいません」 キョン(……彼女宛てのメールに3000点) 古泉(書きかけのSSを間違って送信してしまうなんて……自殺モノですよ!?) SS作者古泉くん保守 長門「……前回の短編の続編完成」 長門「……投下」 長門「……ハラハラ」 長門「……感想レスが付いた」 長門「…………」 長門「……『相変わらずカオスww』、『テラシュールww』、『だからアナル行けってww』、『尻穴スレではあなたの登場を心待ちにしております』……」 長門「……グス」 長門「…………」 長門「……!」 長門「……『うまくカオスに見せてるけど、実はこれ純愛話だな。じんわりと来たGJ!』……」 長門「…………」 長門「……その1レスで私は次も頑張れる」 長門「…………」 長門「……でも、これは普通の純愛モノ」 SS作者古泉くん保守 古泉「…………」 カチカチ… キョン「…………」 古泉「……プッ、クスクス……」 カチカチ… キョン「……なぁ、古泉」 古泉「なんでしょうか?」 キョン「……メール打ってる時なのかな?お前、いつもニヤニヤしたり、しかめっ面になったりしてるけど、自分で気付いてるか?」 古泉「は……?」 キョン「ちなみにさっきはクスクス笑ってた」 古泉「…………」 古泉(……迂濶。まさかSS書いてる時にそんなことになってたなんて) SS作者古泉くん保守 古泉「短編が出来ました。けど、深夜ですね……『人いるかな?6レスほどの短編を投下します』、と」 古泉「おや?タッチの差で先に投下予告した人がいますね?」 古泉「『お先にどうぞ』、と。20レスオーバーの長編ですか?これは支援が必要みたいですね」 古泉「『支援』」 ~支援中~ 古泉「『支援』、……どうやら僕と投下中の彼しかいないみたいですね?深夜は寂しいものです」 ~支援終了~ 古泉「『GJ!甘々ハルキョン大好物です!』、と。ふぅ、久々にいい糖分を頂きました」 古泉「良作の後は少しテンションが上がりますね。僕のSSも行きますか」 古泉「『では、今度はオレのターンw』、と」 古泉「……あれ?」 古泉「……さるさん……」 SS作者古泉くん保守 古泉「……『毎回毎回、書き出しで詰まる。ここさえ抜けたら結構楽なのに』、と」 鶴屋「おや?書き込みにょろ」 鶴屋「ん~『自分は書き出しは楽しいけど、話の中盤で詰まることが多い』、とっ」 長門「…………」 長門「……『中盤は話のメインなので書いてて楽しい。話を上手く締めるのによく苦労している』、……書き込み」 古泉「……これは」 古泉「『自分は締めが一番楽しいかな?三人で役割分担したらいい感じになりそうw』、と」 鶴屋「あはは!『面白いwやっちゃう?w』、とっ」 長門「…………」 長門「……『楽しそう。でも、二人はどんな話を書いてる?』」 古泉「『今書いてるのは軽いギャグの甘いラブコメ』、と」 鶴屋「えーと、『アナル向けのカオスなイジメものかな?』、とっ」 長門「……『……やや欝の純愛モノ』」 三人「…………」 SS作者古泉くん保守 ~やっちゃいました~ 古泉「喜緑さんと会長がSとM?フリーダム過ぎますよ!」 鶴屋「あはは!『最近のマイブームw』、とっ」 古泉「あぁ!もう!なんでSOS団の半分が死んでるんですか!?」 長門「……『そこは譲れない。頑張って』、……書き込み」 古泉「……えぇ、嫌な予感はしてましたよ。でも、他の二人が乗ってきたら言い出しっぺとしてやめれないじゃないですか!?」 ~雑談室~ 『例の合作の最終話マダー?』 『↑最後の一人が詰まってるっぽい』 『↑まぁ、あの展開じゃあなw』 『↑~↑×3、あれは作者が投げても俺は責めないぞw』 古泉「あぁぁぁぁッ!」 SS作者古泉くん保守 古泉「……『その程度ですか?森さん』……」 カチカチ… 古泉「ふぁ……眠いですね……」 古泉「……夜の三時ですか。明日が祝日とはいえ、流石に夜更かしが過ぎますかね?」 古泉「……このシーンを書き終わったら眠ることにしましょう」 カチカチ… 古泉「……『あなたの負けですよ、森さん……いえ、森園生』……」 カチ…カチ… 古泉「…………」 ウトウト… 古泉「……Zzzz」 ~翌朝~ ピッピピッピッピピ 古泉「……ん?……あぁ、携帯のアラームですか」 古泉「ふぁ……設定オフにするの忘れてましたね」 カチカチ… 古泉「……さぁ、もう一眠り……」 古泉「…………」 ガバッ! カチカチカチ! 古泉「うぁぁぁぁぁッ!」 古泉「保存してない分のSSが!」 SS作者古泉くん保守 古泉「短編が出来ました」 古泉「ふっふっふ……今回の話は自信作ですよ」 古泉「いざ、投下」 『乙』『乙』『保守』 古泉「あ、あれ?リアクションが芳しくありませんね……」 ~別の日~ 古泉「ん~……続きの短編が出来ましたけど、ささっと書いただけあって微妙ですね」 古泉「ま、一応投下しますか」 『おまwww』『GJ!!』『萌えたww』『是非続き書いてくれ!』 古泉「え、えぇ?」 SS作者古泉くん保守 古泉「長門有希の特攻」 古泉「朝比奈みくるの不屈」 古泉「喜緑江美里の……奮起」 古泉「これは……涼宮ハルヒの……う~ん……暴虐?」 古泉「……ふぅ」 古泉「……SS読んだ後に、ついつい原作風サブタイトルを付けてしまうのは僕だけでしょうか?」 SS作者古泉くん保守 古泉「はぁ……本格的に詰まりました」 古泉「前編だけ投下なんてやらなければよかった……」 ハルヒちっくな悪魔『どうせあんたの話なんか誰も覚えてないわよ』 古泉「あぁ……悪魔の囁きが聞こえます」 ハル悪魔『長キョンなんてありきたりな話、どうでもいいわよ。もう投げちゃいなさいよ』 古泉「そんな……でも、続きが書けないのも事実ですし……」 みくるちっくな天使『投げてはいけませんよ』 ハル悪魔『む!?』 古泉「今度は天使の声が……?」 みく天使『きっと一人くらいはあなたの書く話を待っている人がいます』 古泉「……そんな奇特な方がいらっしゃるのでしょうか?」 みく天使『いますよ、きっと。そして……』 古泉「そして?」 みく天使『みくキョン物に軌道修正しましょう。大丈夫。今からならまだ間に合います』 古泉「……え?」 ハル悪魔『ちょっと待ちなさい!』 みく天使『あれあれ?どうでもいいんじゃなかったんですか?』 ハル悪魔『そういうことなら話は別よ!あの流れから軌道修正ならハルキョン以外認めないわ!』 みく天使『やれやれ……ワガママ言ってもらっては困りますね』 ハル悪魔『な!?最初に無茶言ったのはどっちよ!?』 みく天使『それにハルキョンの方がありきたりですよ~?』 ハル悪魔『ハルキョンは王道だからいいの!』 ギャーギャー 古泉「……とにかく頑張ろう」 SS作者古泉くん保守 古泉「ふぅ……後編及びエピローグが完成しました」 古泉「…………」 古泉「え?なんで投下しないのか?……ですか?」 古泉「……それは」 古泉「……中編が全く手付かずだからですよ」 SS作者古泉くん保守 ~やっちゃいました・その後~ 古泉「……終わった……やっと、例の合作の最終話が書き終わりました……」 古泉「もう合作も長編もこりごりです。僕は短距離走者、小ネタ職人として生きていきます」 ~三日後~ 古泉「……って、なんでまた長編書いてるんですか!?アホの子ですか!?僕は!?」 古泉「あぁ!でも、勝手に筆が進む!絶対に詰まって後悔するのにぃ」 古泉「あぁ……」 長門「……プロット完成」 長門「……次こそは……」 鶴屋「ん~そろそろ超長編に行ってみるさっ」 鶴屋「たまには真面目な話で行くにょろよ!」 古泉「……やっぱり詰まってしまいました」 古泉「……息抜きしましょう。貯まってる新作SSでも読みますかね」 古泉「……うぁ……今書いてる話とネタが被ってる……」 こうして、今日も作者たちの夜は更けていく……。 SS作者古泉くん保守・完
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4007.html
みくる「お母さん…行ってきます」 みくる母「…頑張ってらっしゃい」 みくる「・・・・うん」 親子別れの場面とはいつ見ても感動的なものだ。 朝比奈さんのを抱きながら優しく髪を撫でる母親の姿に、俺は何処となく悲しみを感じた まあ気のせいかも知れないけどな 古泉「気のせいでは無いでしょう。夫に先立たれ、娘も旅に出てしまう。あの方は今悲しみに満ち溢れている事でしょう。僕では、術で苦しみを与える事は出来ても悲しみを癒す事は出来ません…終わらない戦いは、我々からあらゆる意味での優しさを奪っているのかもしれません…。悲しいことですね」 ああ、ホントにな… なぜ人は、本当の意味で平等に在れないのだろうか…怒りさえ感じるぜ。 古泉「全くもって同感です。ですが、其れが人の悲しさなのでしょう。そして、【人】そのものなのでしょうね・・・」 キョン「・・・だな」 =城下町外= みくる「待たせちゃってすみませんです。さあ行きましょう!」 ハルヒ「みくるちゃん・・・」 キョン「おい、ハルヒ」 ハルヒ「・・・ん。そうね!!出発よ!!!!」 山賊「おい兄弟!獲物を発見したぜ」 山賊2「どれどれ・・・ガキじゃねえか。それも金目のものを持ってそうな奴だ」 山賊3「親分!行きましょうぜ」 山賊「あたりめえだ。こりゃいいカモだぜ」 キョン「・・・見られてるな」 ハルヒ「・・・ええ」 古泉「へばり付くような視線ですね」 みくる「ふぇ!?どういうことですか?」 キョン「静かに!・・・おそらく山賊だな」 みくる「ふええ!?どうしてそんなことが分かるんですかあ!?怖いですう・・・」 ハルヒ「みぃ~くぅ~る~ちゃん?本当に静かにしないと怒るわよ?」 みくる「す、すみませんですぅ・・」 長門「・・・来た!」 山賊「とったあ!」 キィン! キョン「何がとったんだ?」 山賊「なにぃ!?くっ家来ども!」 ガキッ ドゴッ バキッ ハルヒ「それってたった今アタシに素手で瞬殺されたこのヘタレ共のこと?」 山賊「な、なんだと!?我が家来にして10人の猛者達を・・・」 ハルヒ「これが猛者って・・アンタねえ」 山賊「ぬ、ぬうう・・・」 ???「どうしたんだ?山賊の大頭ともあろう者が」 山賊「さ、早乙女さん!」 キョン「誰だ?」 早乙女兵庫「俺の名は早乙女兵庫。見ての通り浪人だ」 キョン「そうか、こいつはとりあえず持って帰ってくれ」 ドン 山賊「うっ」 早乙女兵庫「確かに受け取った。さて、物は相談だが金を置いていって貰えないかな?」 キョン「・・・なんですと?」 ハルヒ「アンタもこいつらみたいにボコボコにのされたいの?」 キィン! 突如、早乙女の剣がキョンに切り掛かる。 キョン「ぐっ…」(コイツ…) 早乙女兵庫「まさか。俺も生活が掛っているんでね。無理やりでも置いてって貰おうか」(今の一太刀を止めるとは・・・) キョン「仕方ない交戦だ。いくぜ早乙女兵庫!!」(こいつ・・・只者じゃない。一撃で行かないとこっちがやれらるぜ) 早乙女兵庫「いざっ!!」(決着は一撃にて・・・) キョン「おおおおおおお!!!炎の力よ!俺に全てを委ねてくれ!!!」 ハルヒ(あれはまさか・・・!?) キョン『奥義!!炎獄緋双斬!!』 早乙女兵庫『黎秋、雨鳥切り!!』 『≪キィン!!!≫』 早乙女兵庫(…ッ!!) キョン「まだまだ行くぜ!!うおおおお」 早乙女「・・・・・ぐ・・・・せいッ!」 キィン!キィン!キィン!! 早乙女「ぐ…うう…」 ハルヒ「ちょ、ちょっとキョン」 キョン「これで止めだ!炎滅・・・」 [『陰陽道・呪縛』] ===ピシィッ=== キョン「ぐあっ!か、体が動かない…何をする古泉!?」 古泉「最初の一撃で既に勝負は付いています。これ以上は無意味でしょう」 キョン「なん、だと・・・?」 早乙女兵庫「・・・・・」ドサッ 山賊「早乙女さん!・・・なぜこの人を殺そうとまでする!?」 キョン「殺すだと・・・?俺はそんなつもりじゃ・・・」 古泉「貴方にしては冷静さを欠いていましたね。最初の一撃で早乙女兵庫は致命傷を負っていました」 みくる「本当に殺しちゃうのかと思いました・・・」 長門「・・・もっと冷静に」 キョン「……」 ハルヒ「アンタ…今必殺技使ったでしょ?確かに大した使い手だったけど、炎滅斬ぐらいの技で十分対抗できた筈よ」 キョン「そ、そうだな。少し可笑しかったみたいだ。は、ははは」 みくる「落ち着いてくださいキョンくん…今、この人の傷治しますから」 キョン「すみません朝比奈さん・・・お願いします」 早乙女兵庫「・・・・」 長門「起きた?」 早乙女兵庫「ここは?」 長門「道中。今日はここで野宿の予定」 早乙女兵庫「俺は一体何を・・・痛っ・・・」 長門「貴方は今まで気絶して眠っていた。傷の外傷の手当てと治療術による手当を行ったのは彼女」 みくる「大丈夫ですかぁ?」 早乙女兵庫「ああ、問題ない。世話をかけてすまなかった」 古泉「まだ行かれない方が良いのでは?傷も完全には直っていないようですし」 早乙女兵庫「そういう訳にもいかないのでな・・・」 『また別の奴から金を脅し取るようなことを繰り返すのか?』 早乙女兵庫「・・・・」 キョン「あんた浪人だな。失業中なんだろう?さっきは悪かった・・・もう少し休んでいけ」 早乙女兵庫「お主は素晴らしい腕を持っている」 キョン「そんなことは無いさ…まだまだ敵わない奴は沢山いる」 早乙女兵庫「謙遜なさるな。俺は大名の出す手配書を読み、色々な物の首を捉えてきた。お主は強い・・・ただ」 キョン「わかってるさ、ただ焦ってるんだ。早く腕を上げないとイケないからな」 早乙女兵庫「なにゆえ?それ程の強さを持ちながら、なにゆえ其れ以上を求める?」 キョン「倒したい奴がいるんだ・・・そいつは、とてつもなく巨大な男だ」 早乙女兵庫「…主は忍者だろう?」 キョン「そうだ」 早乙女兵庫「甲賀者とは違うな・・・もしや・・・伊賀か?」 キョン「なぜそう思う?」 早乙女兵庫「ということは、そうなんだな?」 キョン「う・・」 早乙女兵庫「・・・ふ、巨大な男というのが引っ掛かってな。俺がその言葉を聞いて思い浮かべる男と言えば・・・・織田信長だ」 キョン「!!」 早乙女兵庫「やはりか・・・信長の忍軍は執拗に伊賀を狙っていた。理由は分らんが…主はその残党ってところだろう」 キョン「ああ、その通りさ。殺された仲間の為にも、これから先の未来の為にも、俺はアイツを倒さなきゃいけないんだ」 早乙女兵庫「信長の起用する忍軍は驚異的な強さだと聞く。それこそ一介の下忍や武士では太刀打ち出来ない程の・・・」 キョン「俺は、その影の軍とやらの上忍と戦ったことがある・・・圧倒的すぎる強さだった」 早乙女兵庫「・・・そうか」 キョン「・・・今夜は月が綺麗だな」 早乙女兵庫「・・・ああ」 それから暫く、俺達二人は酒を飲みながら満月をずっと見つめていた 早乙女兵庫「ここから真っ直ぐ進んで行くと平泉と呼ばれる小さな町がある。その横にある洞窟は義経洞窟と呼ばれ、村民は皆誰も近づかない。だが洞窟の一番奥には、義経が生前を共にした名刀が眠っていると言われている…もし腕を磨きたいのなら修行がてら宝探しでもしてみればどうだ?」 早乙女は俺達に深く一礼すると北に向って歩いていった キョン「さて、どうする?その平泉とやらに行ってみるか?」 ハルヒ「いいんじゃないの?何より面白そうだし!!」 古泉「そうですね。義経の使っていた名刀…少しばかり僕も興味があります」 長門「別にいい・・」 みくる「ど、洞窟って暗くないんですかぁ!?怖そうですう・・・」 ハルヒ「ぜんっぜん平気よみくるちゃん!出てくる化け物もおっきなネズミとかおっきなムカデとかそんなんばっかよ!全然問題ないわ!!」 みくる「ふぇえええ?大きなネズミ・・・大きなムカデ・・・・ぶくぶく」 キョン「あ、朝比奈さんが気絶してるぞ!」 ハルヒ「えええ!?もうみくるちゃんしっかりしなさい!!」 長門「・・・・先が少しだけ不安」 古泉「・・・ですね」 涼宮ハルヒの忍劇6
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/2209.html
もしハルヒが日記帳、もしくはブログなんかを日々つけていたとしたらどんな文章を書いているのか、まぁ確かめる術はどれだけ権謀術数を極めてもゲーデル命題の如く不確定の問題として終わりを告げてしまうのだろうが、まぁここは読者の特権、言論の自由がブラウン運動並みに行き交うこのブログ空間に、徒然なるままに載せてみようかとか考えた末の、結実した成果がこれである。 キョンなら何と言うだろうか?全く悪趣味なことを考えやがる、とこれを唾棄するのかもしれないが、本当にあるなら見てみたい気がする、と彼の中で悪魔の囁きが首をもたげかけたあたりで、古泉にその心情を見抜かれ、「あなたが見せて欲しいと言えば、見せてくれるんじゃないですか?あなたがたは理想形といっても良いくらいの信頼感で、結ばれているのですから」などと保険会社の営業担当者並みの笑顔を浮かべながら訳知り口調で口走り、タダほど怖いものは無いということの証明となりそうなスマイルだなと、キョンが感想を心の中で一人ごちることだろう。 そんなこんなで、キョン口調を真似た一読者のお送りする『涼宮ハルヒの回想』。挿絵も全く無く更に横書きなため読みづらいことこの上ない感じで、誰にも気取られずにスタート! 『涼宮ハルヒの回想』 あたしはよく、寝る前にふと見慣れた天井を見つめながら考え込む癖があった。最近はもうないけれど、去年の今ごろ、北高に塾に行かず独力で合格してから、周りの本当につまらないクラスメイトたちのお別れ会とかいう互いの思い出作りに奔走する、本当にくだらない集まりに行くのも当然断って、ただ、ひたすら何も起きずに中学生が終わっちゃったことへの後悔と、これからあの北高に行くことへの少しの期待感とが混じり合った、感傷にも似た感情を抱いていた三月の下旬頃は、よく、こんなことを考えてた。ていってもそれは、その時まで考え通しだったことをまた、同じように繰り返していただけだったんだけど。 このまま何も起きずに、変な出来事、宇宙人、異世界人、未来人、幽霊、妖怪、なんでもいいのよ、面白そうなものと何も出会わずに、それなりに人生を歩んで、つまり大人になって、定番の家族ドラマみたいに安定した家庭を築かされて、やることと言えば誰かの世話、日常の人間関係の保全、公私問わず社会が押し付けてくるその他諸々の義務、普通の人が普通にやらなきゃいけないこと・・そういった本当につまらないこと、別にあたしでなくても良いような物事しか経験しないで人生を終えるようなことがあったらどうしようって、ほんと、いつものように焦ってた。焦りの気持ちが心の中で一定量を越えると、あたしは布団の中にうずくまって、早く眠りにつこうとした。夢の中くらいでしか、あたしが触れ得る非日常らしい世界が待っていないことを、どこかで知っていたからなのかもしれない。早く寝てしまおう、寝て起きたら、いつのまにか現実が夢に置き換わっていて、もしかしたらあたしのところにも変な出来事が訪れるかもしれないって。今日も何も無かったことの苛立ちを、夢の中で晴らそうって、考えるようになっていたのかもしれない。 そうした夜はいつものようにやってくるし、朝はまた相変わらずの顔で今日も元気に人生を過ごそうと励ましてくる。外へ出ても拡がっているのは、次元断層の隙間なんて1ミクロンもない当たり前の世界、平凡な日常。空を見てもアダムスキー型UFOの群体なんて飛んでないし、ただ、どこかの唱歌の歌詞にありそうな「雲ひとつなく晴れ渡る青空」が、のっぺりとした顔で眼前に広がっているだけ・・。あたしじゃない誰かの元に、ちっとも普通じゃない、とっても面白い出来事が天賦人権のように与えられている代わりに、あたしのところには安全で、安定した、時間の相対性なんて微塵も感じさせないような絶対的で堅牢な平和が、要りもしないのに日々あたしの上に降り注いでくる。あたしの中学生活の三年間は、そうした絶対的秩序と言う刑務所からの大脱走のために、そのほとんどを費やされてきたって言っても、ほんと、言い過ぎじゃないわね。それくらいに、あたしは「いろんなこと」をやっていたから。ネットで評判になってた、一枚ウン千円もする霊験あらたかなお札を、親父に小遣い前借りして三ダースほど購入して、教室の窓全てに貼ってまわったり、七夕の日に校庭で、「あたしはここにいる」って意味の、地球外生命体にも見えるくらい大きな絵文字を石灰で描いてみせたり・・。そう、このとき、校庭にやってきた男・・あれ、何て名前だったっけ?・・北高の制服を着た、あたしの絵文字製作事業を手伝ってくれた男が、あたしの中で唯一の「おもしろいこと」への鍵だった。あいつは未来人、宇宙人、超能力者、異世界人について、何故だか知らないけれど知っているように思えた。ただ、あたしみたいな中学生のくだらないたわ言を、そこらへんのくだらない大人やクラスメイト達みたいに言葉面の上で同意しておいてあたしのことを避けるような態度には、少なくとも思えなかった。 なにより、あたしの本当に端から見たらばかげてる絵文字製作を、あの男は無駄口叩きながら、でも、真剣に手伝ってくれた。あたしは最初、手伝ってくれるとは思っていなかった。当然でしょ?いきなり誰だかわからない女の子に、そんなことを手伝えっていわれたら、普通は親御さんを探すか、家は何処かとか、聞いてくるはずよね。もしくはあたしの言葉に苦笑いして、じゃあねと手を振るか、そんなことしても変わるわけない、宇宙人なんて、NASAの丁稚上げで、未来人に至っては、ネタ的に面白いから、小説の物語を進めるためのファクターとして流行しただけなんだよって、日常的な言説を持ち出して説教したりするのが、考えうる一般の人の対応だと思うの。 あの男は、あたしの言葉を受け止めるのでもなく、説教するわけでも、話題をそらすわけでもなくて、ただ一緒に、世界を変える行動を手伝ってくれた。それがあたしにとっては、一番嬉しかったことだった。 あたしは、世界が面白くなる行動を起こすんだって思っていた。世界に、あたしはここにいるんだって、訴えたかったのよ。でも・・もしかしたら、世界に訴えたかったんじゃなくて、ただ、誰かと一緒に、「何か」をしたかっただけなのかもしれない。「あたしの世界」は、あたしだけじゃ変わらない、誰かと一緒に、何かをやることで面白くなるのかもしれないって、あの数十分間の間に、少し思った。 それが、SOS団を作る素地になっていたのかも・・しれないけど、 よくは分からないわ、北京で蝶が羽ばたいたからなのかも、しれないしね。 あのときの感じを、信頼してよかったなって、ほんと、今なら言える。あのときの感触を信じて、わざわざ山の上にある県立の普通レベルの北高にいったからこそ、あたしは萌え記号の塊みたいなみくるちゃんに会えたし、無口キャラで眼鏡っ娘の有希とも会えた。入学してまもなくの五月に転校してきた謎の転校生の古泉くんとも、北高に行ってなかったら会えるわけも無かっただろうしね。まぁ、キョンは別になんでもないんだけど、あいつがぐだぐだ垂れた説教が無かったら創部っていう手段を考え付かなかったかもしれないし、SOS団結成も無かったのかもしれない・・なんていうのは、ちょっと、いえ、かなり誉め過ぎね、キョンはただの団員、それ以上でも以下でもないんだから。SOS団が結成されたのは必然なのよ、シュレーディンガーの猫みたいに観測者の存在なんかで確率論に堕さない、これだけは変わらない、唯一つの真実なの!神様がサイコロを振ろうともね! ――三月下旬、SOS団団長涼宮ハルヒ、記す。